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脱、自分らしさ。



今、私たちが求める「自分らしさ」



「自分らしさ」を知りたくて「自分らしさ」を探すけれどそれが何なのかわからない。



そんな時こそ本当の自分らしさを見つけるために提案したいこと――




『脱、自分らしさ』








脱?どういうこと?と感じると思うけれど、探してもみつからないと悩まれてる方には実は大切な視点なのではないかと思うのです。




まず「自分らしさ」って何だろう?

「自分の特徴や性質を十分に発揮する様、意識して抑制するのではなくあるがままの姿でいる様」 (実用日本語表現辞典)

違う言い方だと

「自分の価値観を大切にして、自然体で言動が行えること」「個性・ 持ち味・キャラクター・独自性」



意味は頭で理解できるけれど、さて?私の自分らしさとは?と、自分に焦点を置いて考えた途端にわからなくなるもの。


だから、探すし、追求する。






現在私はスタイリストとして、ファッションをツールに様々な方と知り合い、サポートさせていただいています。


仕事内容は目の前の方をより素敵にスタイリングすることなのだけれど、その前にその人と触れ合い、コミュニケーションをとり、よく理解することをとても大切にしている。


そうすることで、人となりや自然体の中で垣間見える魅力をキャッチできるから。


客観的な視点で見ると、本人さえ気付いていない魅力に直面することがよくある。

それをそのまま本人にお伝えすると、他者が感じとった「自分の魅力」にハッと驚きながらも、自分が当たり前にしている行動や思考や感性など、それこそが「自分らしさ」なのだと気づいたりする。




自分らしさって「自分の価値観を大切にし『自然に』行動する様」ということなのだから

言い換えれば、自然に当たり前に行動している。

だからこそ、気づきにくい。



だとしたら、そもそも「自分らしさ」の答えを無理に絞り出す必要はないのかもしれない。

私たちが何気なくとっている行動ひとつひとつが「自分らしさ」なのだから。


「自分らしさを見つける」というこだわりを手放してみて初めて、見えるものがある気がしてならない。



また、私たちは自分の感覚や経験や習慣の中から自分らしさを見つけようとするけれど、もしも見つからないとしたら、視点を変えてみることも良さそうだ。


結局人は、自分の感覚や経験や習慣の中からしか物事を見ることができない。 その限られた視野の中から見えるものごとは、他者の視点から見ると違った見え方をする場合も多い。


自分の感覚、経験、習慣から生まれた自分なりの視点は、素晴らしい。 ただ、「別の視点もある」という意識を無くしてしまうと、固定された視野が自分を定義付ける「枠」になってしまうこともある。


私自身も、自分以外の誰かの視点を取り入れることで、自分が無意識に作っていた「枠」の存在に気づき、視野も思考も狭かったな!と感じることは多い。

きっと誰しも多かれ少なかれあるんじゃないかな。




答えが見つからない自分らしさをずっと「同じ枠」の中で探し続けても、結局のところ何も見つからない。 同じ場所をぐるぐる回っているようなもの。



だったら一度、「自分らしさの答え探し」や「枠の中での模索」を手放してみたらどうだろう。



それは、自分の中の情報や思い込みを一旦横に置いておくということになる。


それによって、新しい情報や感覚や体験が入りやすくなり、今までと違った思考で物事を捉えやすくなる。




例えばファッションを例に挙げるとわかりやすい。


自分もしくは家族や周りの人たちが感じる「あなたらしい」は、「見慣れている」という習慣や経験から創られている部分も多い。

でも、その人の特徴や性質をより発揮できるファッションに出会った時、さらに「あなたらしい」の幅は広がる可能性だってある。



スタイリングさせていただいた方たちが、「自分にこんな服が似合うなんて思ってもみなかった!」「自分では絶対に選ぶことがなかったデザイン!」「こんなコーディネートを想像したこともなかった!」など、それまでの習慣や経験の中では見つけられなかった新たな自分との出会いに感動してくださることが多いように。



それまで着慣れていた服や似合うと思っていた服、好んで着ていた服が似合わなかった訳ではないけれど、それまで自分の「枠」にはなかった服がより輝かせてくれることだってある。


自分で選ぶ「枠の中」になかったというだけ。


その枠を飛び越えて、新たなものを知り、感じ、取り入れた体験は、自分自身の一部となってゆくのだから、それが「らしさ」に変化していくことだって十分にあり得る。


「自分らしさ」は変化し得る。






結局、「自分らしさを探す」意識ではなく、「自然体の自分」を意識してみると、毎日の暮らしの中にも自分ではまだ気づいていない「らしさ」がたくさん転がっていることに気づく。


「大して価値のないもの」「あえて取り上げるほどでもないこと 」そう感じている物事の中にだって、実は自分の価値観や自分らしさがたくさん詰まっている。




例えば、毎日の暮らしの中で、自分が行っているひとつひとつの行動や感覚に目を向けてみると、自分が大切にしていることが見えてくる。

「意外とこんなふうに毎日を送っているんだな、私…」と。


朝起きて軽く体操する、毎朝コップ一杯の水を飲む、家族との時間を優先させ家事を手抜きする、ゆっくり珈琲を飲む、庭の草花を眺める、いつも元気に挨拶する、計画を立てて動きたい、じっくりゆっくり進みたい、物を大切にしたい、ランチのメニュー選びが早い、心打たれる瞬間、おもしろい!と思うポイント、感動する場面、これだけは譲れない!というこだわり…



なにげなくとっている行動や感覚を、少し離れた所から自分を見るように眺めてみる感じで。決して過大評価も過小評価もせずに。


意識してみると、必ず自分のことが少しずつ見えてくる。


もちろん、ちゃんと意識して見てみないとつい見過ごしてしまうから、とにかく意識して見ることが大切にはなるけれど、探しても見つからないモノを探し続けて疲れるよりも、きっと得るものはある。




「脱、自分らしさ」で「本当の自分らしさ」を見つけよう。

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